- 2008-05-27 (火) 0:29
- MLB Players

#45 ボブ・ギブソン | SP

- 1957年・カージナルスと契約
- 1935年11月9日生 右投右打 186センチ 86キロ
- ネブラスカ州出身
選手の紹介文
1960年代のメジャーリーグを代表する投手であるボブ・ギブソン。体全体をしならせるダイナミックなピッチングフォームから、打者の内角を鋭くえぐる剛速球で一時代を築いた。特に1968年には防御率1.12を記録し、さらにワールドシリーズでも計7勝を挙げるなど、積み上げた実績は他に追随を許さない。フィールディングも素晴らしく、9年連続ゴールドグラブ賞も獲得している。
ネブラスカ州オハマで、7人兄弟の末っ子として生まれたギブソン。生まれる3ヶ月前に父親を亡くすという不幸があったが、母親のやりとりがうまく子供達に不自由をさせることはなかった。とはいえ、幼少時のギブソンは体が弱く、肺炎で死にかけることもあった。しかし、スポーツの才能に恵まれたギブソンはスポーツに打ち込むことで強靱な肉体を作り上げ、全てを克服する。
小柄だった体も徐々に成長し、高校時代には野球とバスケットゲームで大きな注目を浴びることとなる。卒業時にはニグロリーグのカンザスシティ・モナークスから入団の誘いもあったという。その後、クレイトン大学へ進学したギブソンは、この大学の野球とバスケットボールでプレーする最初の黒人選手となった。強い肩と高い打撃能力は、投手としても、捕手、内野手、外野手としてもいずれも大きな可能性を感じさせた。
そして1957年、ギブソンはカージナルスと契約。無名大学出身で、さらに黒人であることがギブソンへの契約金の額を減らせることとなったが、球団内の評価はとてつもなく高いものだった。下手に契約金を上げてしまうと、メジャーリーグの支配下選手に登録しなければならず、マイナーリーグで腕を磨くことができない例も過去にはあったため、これは回避できた。入団後はポジションをどこにするかで球団内で揉めるが、結果的には投手で始め、ダメなら外野に回そうということになる。
マイナーリーグでは剛速球で注目を浴びるも、制球力不足から思うような結果を出せない日々が続いた。1959年にはメジャー初昇格を果たすも、初登板でHRを浴びてマイナーへ降格するなど、ギブソン自身をも悩ませた。スリークォーター気味の投球フォームに変えることで、制球力アップも試みたりもした。1960年にもメジャー昇格後も当時の監督の起用法に満足できず、他球団への移籍も考えたりしたという。
メジャー初のフルシーズンとなった1961年は、13勝12敗の防御率3.24という成績を残したが、リーグトップの119与四球を記録している。この年はシーズン途中に、マイナー時代の監督だったジョニー・キーンがカージナルスの監督になり、ギブソンを先発ローテーションとして安定した登板機会を与え始めたことも非常に大きいことだった。
1962年には15勝13敗、防御率2.85という成績を残し、翌1963年は18勝9敗、防御率3.39をマーク。徐々にメジャーリーグの一流選手へなるきっかけを掴み始めた。そして1964年、19勝12敗の防御率3.01を記録したギブソンは、チームのリーグ優勝に貢献。ワールドシリーズではリーグ5連覇を達成したばかりのヤンキースと対戦することになる。
ミッキー・マントル、ロジャー・マリスというMM砲を擁するヤンキース相手にもギブソンはひるまなかった。第2戦で先発したギブソンは惜しくも敗れるが、第5戦では13奪三振の快投で延長10回の末、勝利を収めた。3勝3敗で迎えた第7戦、中2日で先発のマウンドに登ったギブソンは5失点ながらも完投し、チームに18年ぶりの世界一をもたらした。ギブソンにとってシリーズMVPも手にするなどメジャー生活最初のハイライトとなったこのシリーズ以降、王者の名を欲しいままにしていたヤンキースは11年もワールドシリーズから遠ざかることになる。
1965年には20勝12敗の防御率3.07、1966年には21勝5敗の防御率2.44と2年連続20勝を達成したギブソンだが、当時はリーグにサンディー・コーファックスという存在がおり、タイトルは全てコーファックスに奪われた。ギブソンは同い年であるコーファックスにライバル心を燃やすが、コーファックスは関節炎を理由に1966年には引退を発表。ギブソンはコーファックス引退後も実績を積み上げていく。
1967年、シーズン途中にロベルト・クレメンテの打球を足に受けるアクシデントで後半戦欠場を余儀なくされるが、チームはリーグ優勝を果たしたこともあり、間に合わないと思われていたがワールドシリーズには間に合わせた。レッドソックス相手の第1戦では10奪三振の1失点完投勝利をマークすると、第4戦には散発5安打の完封勝利。第7戦では自らもHRを放つなど、2失点完投勝利で締めくくり、チームに再び世界一をもたらした。ギブソンは3勝をマークして文句無しのMVPに輝いた。
1968年、ギブソンは34試合に先発し、28完投に13完封。22勝9敗の防御率1.12と桁違いの数字を残した。この防御率は20世紀以降でも史上3位となる大記録であり、初めてのサイヤング賞を獲得したのもこの年である。ちなみにこの年は「投手の年」と呼ばれ、ドン・ドライスデールの58回2/3連続無失点記録を始めとする多くの記録が樹立され、防御率2点以下の投手が7人もいたが、その中でもギブソンの存在は際立っていた。
さらに2年連続でワールドシリーズへコマを進めたカージナルス。タイガースとの対戦となり、第1戦ではシリーズ記録となる17奪三振を記録して完投勝利。第4戦も完投勝利で飾ったギブソンはワールドシリーズ7連勝をマーク。期待されて迎えた第7戦だったが、味方のエラーという不運もあり、敗れてしまった。ギブソンにとってもこのシリーズが最後のワールドシリーズとなることになる。
それで勢いは留まることなく、1969年には20勝13敗の防御率2.18を記録。翌1970年には23勝7敗、防御率3.12で自身2度目のサイヤング賞を受賞した。1971年8月19日のパイレーツ戦ではノーヒッターを達成するなど、1975年までのキャリアの中で積み上げた白星は251個を数える。
多くのファンを魅了してきたギブソンも勝負に徹する性格であるが故に、不必要に他チームの選手とも仲良くなるのを拒んだ。しかし、ピッチングに徹するプロ中のプロしての足跡は確実にメジャーリーグに残した。1981年には殿堂入りを果たしている。
<written by Kenji@webmaster>
各年度別成績一覧
YEAR Team G GS CG SHO W L SV IP H SO BB R ER ERA ----------------------------------------------------------------------------- 1959 StL 13 9 2 1 3 5 0 75.2 77 48 39 35 28 3.33 1960 StL 27 12 2 0 3 6 0 86.2 97 69 48 61 54 5.61 1961 StL 35 27 10 2 13 12 1 211.1 186 166 119 91 76 3.24 1962 StL 32 30 15 5 15 13 1 233.2 174 208 95 84 74 2.85 1963 StL 36 33 14 2 18 9 0 254.2 224 204 96 110 96 3.39 1964 StL 40 36 17 2 19 12 1 287.1 250 245 86 106 96 3.01 1965 StL 38 36 20 6 20 12 1 299.0 243 270 103 110 102 3.07 1966 StL 35 35 20 5 21 12 0 280.1 210 225 78 90 76 2.44 1967 StL 24 24 10 2 13 7 0 175.1 151 147 40 62 58 2.98 1968 StL 34 34 28 13 22 9 0 304.2 198 268 62 49 38 1.12 1969 StL 35 35 28 4 20 13 0 314.0 251 269 95 84 76 2.18 1970 StL 34 34 23 3 23 7 0 294.0 262 274 88 111 102 3.12 1971 StL 31 31 20 5 16 13 0 245.2 215 185 76 96 83 3.04 1972 StL 34 34 23 4 19 11 0 278.0 226 208 88 83 76 2.46 1973 StL 25 25 13 1 12 10 0 195.0 159 142 57 71 60 2.77 1974 StL 33 33 9 1 11 13 0 240.0 236 129 104 111 102 3.83 1975 StL 22 14 1 0 3 10 2 109.0 120 60 62 66 61 5.04 ----------------------------------------------------------------------------- Total 528 482 255 56 251 174 6 3884.1 3279 3117 1336 1420 1258 2.91
受賞タイトル一覧
- MVP1回(1968)
- サイヤング賞2回(1968,70)
- 最多勝1回(1970)
- 最優秀防御率1回(1968)
- 最多奪三振1回(1968)
- ゴールドグラブ賞9回(1965~73)
- オールスター出場8回(1962,65~70,72)
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