- 2009-06-06 (土) 0:01
- MLB Players

#11 チャック・ノブロック(Chuck KNOBLAUCH) | 2B

- 1989年6月ドラフト・ツインズ1位(全米25番目)
- 1968年7月7日生 右投右打 175センチ 77キロ
- テキサス州出身
選手の紹介文
1990年代、ツインズとヤンキースで世界一を計4度も経験しているチャック・ノブロック。打席に入るまでにせわしない動作と、バットのヘッドを水平に構える独特な打撃スタイルから左右にヒットを打ち分ける俊足巧打のバッターであった。セカンドを主に守っていたが、晩年は送球難からレフトに移っている。
テキサス州ヒューストンに生まれたノブロックは、高校卒業時の1986年ドラフトでフィリーズから18位指名(全米452番目)を受けるが、拒否して大学進学の道を選んだ。大学進学により、さらに評価を高め、1989年のドラフトではツインズから全米25番目となる1位指名を受けて、晴れてプロ入りを決めたのである。
プロ1年目となる1989年は1Aの2つのランクでプレーし、計69試合の出場で打率.308と非凡な成績を挙げている。当時はショートストップであったが、翌1990年からはセカンドへとコンバート。この年は2Aオーランドで118試合に出場し、打率.289、23盗塁と一定の成績を残し、ツインズ傘下での評価を高めたのである。
1991年、ツインズの開幕ロースター入りを果たしたノブロック。開幕スタメンの座も掴み、さらに4月末時点での打率は.333という新人離れした安定感で、メジャー定着を果たしたのである。主にダン・グラッデンに次ぐ2番を打ち、好不調の波はありながらも、シーズン通しては151試合の出場で打率.281、1HR、50打点、25盗塁という成績を残した。見事に新人王のタイトルも手にしている。
この年のツインズは前年の地区最下位から地区優勝を果たす快進撃を見せていた。そしてノブロックにもポストシーズン出場の機会が巡ってきたのである。リーグチャンピオンシップシリーズ(対ブルージェイズ)では打率.350(20打数7安打)をマークして、リーグ優勝に貢献。ワールドシリーズでも打率.308(26打数8安打)という勝負強さで、第7戦までもつれた熱戦を制し、世界一の栄冠を掴んだのである。
このワールドシリーズは、ノブロックのトリックプレー抜きで語ることは出来ない。3勝3敗で迎えた第7戦、0対0と息詰まる投手戦が続く8回表のブレーブスの攻撃、ノーアウトランナー1塁のピンチでヒットエンドランを仕掛けられたのである。打球は左中間を深々と破り、1塁ランナーのロニー・スミスは既にホームを駆け抜けたと思われた。ところが、スミスはまさかの3塁止まり。ノブロックのトリックプレーがあったのである。
エンドランでありながら左中間を抜ける打球を確認していたはずのスミスは、セカンドのノブロックの動きに騙された。セカンドの守備位置に打球が来ていないのにも関わらず、ノブロックは2塁へと送球する振りを見せていたのだ。スミスはこの振りに幻惑された。改めて打球の行方を確認してしまい、その後に3塁に進んだため、3塁止まりとなった。このトリックプレーがなければブレーブスが1点をもぎ取り、世界一もブレーブスの元に転がり込んでいたはずである。それだけにノブロックの機転は大きかった。
1992年、シーズン終盤には1番を打つようになったノブロック。155試合に出場し、打率.297、34盗塁をマーク。1993年こそ打率.277、29盗塁に終わるが、ストライキで中断された1994年は打率.312、35盗塁とひとつの壁を破った。1995年は打率.333、11HR、63打点、46盗塁というスピードに加え、パワー面での向上も見せ、初のシルバースラッガー賞も受賞している。
1996年は153試合に出場し、打率.341、13HR、72打点、45盗塁と低迷するツインズの中で孤軍奮闘した。すでにツインズを代表する選手となっていたノブロックは、1997年も156試合の出場で打率.291、9HR、58打点、62盗塁という数字で、ゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞を同時受賞している。オフにはエリック・ミルトン、クリスチャン・グーズマンらに金銭を含む交換トレードがまとまり、ヤンキースへ移籍することになったのである。
1998年、ヤンキースの1番打者としてチームの躍進に大きく貢献。若きチームリーダーであるデレク・ジーターと共に二遊間を組んだのである。150試合に出場し、打率.265、17HR、64打点、31盗塁とスピード面よりもパワー面が目立ったのである。ヤンキースもシーズン114勝と抜群の勝率を誇った。ノブロックにとっても、新人時代以来のポストシーズン出場となったのである。
リーグチャンピオンシップシリーズ(対インディアンズ)の第2戦の守備時のプレーが評価を分けた。1対1の同点で迎えた延長12回表、ノーアウト1塁の場面でバントがあり、バント処理したファーストからの送球がバッターランナーに当たり、セーフと判定された。1塁のベースカバーに入ったノブロックはボールを追おうとせずに審判に猛抗議。バッターランナーが3フィートラインの内側を走った守備妨害だと猛抗議したのだが、その間にランナーがホームに駆け込み、これが決勝点となってしまったのだ。このプレイをめぐり、ノブロックはヤンキースファンから罵声を浴びた。ミネソタに帰れとも言われる始末だった。
しかし、ワールドシリーズ(対パドレス)の第1戦、2対5とヤンキース敗色濃厚となっていた7回裏、1アウト1、2塁の場面で起死回生となる同点HRを放ったのである。これをきっかけにヤンキースはこの試合に勝利を収めることとなった。ノブロックは自分自身の力でファンの評価を一変させたのだ。そして、見事にヤンキース世界一に貢献したのである。
1999年になるとノブロックは信じられない新たな苦悩が訪れた。ファーストへの悪送球を連発するようになったのだ。この年、ノブロックは、26個もの失策を演じ、アメリカンリーグの2塁手として最多の記録を喫してしまったのである。その多くが悪送球によるものであった。打撃成績こそ、150試合の出場で打率.292、18HR、68打点、28盗塁と1番打者としての責任は果たしたが、送球難は自らを大きく苦しめた。
2000年も送球難は相変わらずで、指名打者としての出場機会も増えることとなる。離脱もあったため、102試合の出場に留まり、打率.283、5HR、26打点、15盗塁に終わった。翌2001年からはレフトへとコンバートすることになり、セカンドにはアルフォンゾ・ソリアーノが入った。しかし、ポジションの変更は効果を生まず、結果的には137試合の出場で打率.250、9HR、44打点と期待通りの数字とは言い難かった。ワールドシリーズでは1安打しか打つことが出来なかった(18打数1安打で打率.056)。
2002年からはロイヤルズへとFA移籍。かつての輝きを取り戻すことが期待されたが、左肘の痛みにも苦しみ、終わってみると80試合しか出場できなかった。打率.210、6HR、22打点という散々な成績で、この年限りで現役を退くこととなったのである。メジャーでの通算成績は打率.289、1839安打、98HR、615打点、407盗塁というものだが、ツインズで1度、ヤンキースで3度の計4度の世界一を経験している点が輝かしい。
【written by チャックノブロック&Kenji@webmaster】
獲得タイトル一覧
受賞アワード一覧
- 新人王(1991-AL)
- ゴールドグラブ賞:1回(1997-AL)
- シルバースラッガー賞:2回(1995-AL、1997-AL)
各年度別成績一覧
YEAR Team G AB R H 2B 3B HR RBI SO BB SB OBP SLG AVG ------------------------------------------------------------------------------ 1991 Min 151 565 78 159 24 6 1 50 40 59 25 .351 .350 .281 1992 Min 155 600 104 178 19 6 2 56 60 88 34 .384 .358 .297 1993 Min 153 602 82 167 27 4 2 41 44 65 29 .354 .346 .277 1994 Min 109 445 85 139 45 3 5 51 56 41 35 .381 .461 .312 1995 Min 136 538 107 179 34 8 11 63 95 78 46 .424 .487 .333 1996 Min 153 578 140 197 35 14 13 72 74 98 45 .448 .517 .341 1997 Min 156 611 117 178 26 10 9 58 84 84 62 .390 .411 .291 1998 NYY 150 603 117 160 25 4 17 64 70 76 31 .361 .405 .265 1999 NYY 150 603 120 176 36 4 18 68 57 83 28 .393 .454 .292 2000 NYY 102 400 75 113 22 2 5 26 45 46 15 .366 .385 .283 2001 NYY 137 521 66 130 20 3 9 44 73 58 38 .339 .351 .250 2002 KC 80 300 41 63 9 0 6 22 32 28 19 .284 .300 .210 ------------------------------------------------------------------------------ Total 1632 6366 1132 1839 322 64 98 615 730 804 407 .378 .406 .289
キャリアハイライト一覧
- オールスター出場:4回(1992-AL、1994-AL、1996-AL、1997-AL)
- 世界一経験:4回(1991-Min、1998-NYY~2000-NYY)
-
Tags :
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