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Hideo NOMO(野茂英雄)

Major League Baseball

#16 野茂英雄(Hideo NOMO) | SP

野茂英雄

  • 1995年2月・ドジャースと契約
  • 1968年8月31日生 右投右打 188センチ 95キロ
  • 大阪府出身

選手の紹介文
トルネード投法は野茂の代名詞。大きく振りかぶり背中を打者に向けてから投げる「トルネード投法」を武器にメジャーリーグに旋風を巻き起こした野茂英雄。フォークボールを武器に三振の山を築き上げ、両リーグでのノーヒッター達成は誇るべき足跡である。日本人メジャーリーガーのパイオニアとしての存在感が際だっており、日米通算で201勝を記録している。

幼き日に江夏豊に憧れた少年。もっと速い球を投げたいと考えた少年があみだしたのが体をひねって投げる投法、後に「トルネード投法」と名付けられた投法だった。この特異なピッチングフォームにより、高校時代には完全試合も達成した。社会人時代には全日本メンバーにも選出され、ソウルオリンピックにも出場。オリンピックなどで世界の野球を肌で感じる素晴らしい経験をした。日本のドラフト会議で前代未聞の8球団が1位指名を行い、クジの結果、近鉄バファローズが交渉権を手にすることになる。

プロの世界に足を踏み入れてもその実力はいかんなく発揮され、4年連続最多勝、最多奪三振と毎年のようにタイトルを獲得する。日米野球で来日したロジャー・クレメンスの立ち振る舞いに非常に感動し、いかなる成績を残してもその現状に留まらず、常に上を見ていた。しかし、プロ入り5年目の1994年、右肩を痛めてしまい思うような成績を残せずに終わった野茂は、オフに複数年契約を求めて交渉に臨むが認めてもらえない。元々、トレーニングに関してチームの首脳陣と意見が合わず、その衝突は幾度と伝えられていた。

譲らない野茂は年明け早々、任意引退という形になり、ドジャースと契約するに至る。この間、野茂は日本時代から使っていたグラブに刺繍してあるチームの名前と自分の名前をギタギタに切り刻んだ。これは当時の野茂の気持ちを如実に伝えるものであるといえるだろう。また、そこには見えない大きな力が働いているようにも見える。無謀な挑戦と批判の中での渡米だったが、結果として彼のピッチングが、日本に住む多くの野球ファンの目をメジャーリーグに向けさせることになる。

ドジャースでデビューし、メジャー全体に大きな旋風を巻き起こした。1995年、5月2日のジャイアンツ戦のマウンドに上がり、村上雅則以来の日本人2人目のメジャーリーガーとなった野茂。ストライキ明けということもあり、ファン離れが叫ばれる中、全米にトルネード旋風が巻き起こるほどの活躍を見せた。その年のオールスターゲームのスターティングピッチャーに抜擢され、2イニングを無失点に抑えたのである。28試合に先発し、13勝6敗、防御率2.54、236奪三振という成績を残し、新人王と奪三振王のタイトルも受賞した。野茂にとっては監督のトミー・ラソーダや捕手のマイク・ピアザなどとの出会いも大きなプラスになったのである。

1996年には打者天国と言われるクアーズフィールドでノーヒッターを達成。高地にあることから空気が薄く、打球が飛びやすいことで知られるこの球場での大記録達成は周囲に驚きを与えた(この試合は雨で開始が遅れた点も有利に働いたのではないかとも言われている)。この年は33試合に登板し、16勝11敗、防御率3.19、234奪三振と勢いは留まることを知らない。翌1997年も33試合の登板で14勝12敗、防御率4.25、233奪三振という成績でメジャーデビュー以来、3年連続200奪三振を達成している。

1997年オフに右肘を手術した影響もあるのか、1998年シーズンは本来の投球が出来ずに苦しんだ。アジア人初のメジャーリーグでのHRを放ちもしたが、投球では黒星が先行する苦しい状況だった。シーズン途中にメッツへの移籍が決まった。しかし、メッツでも白星にはなかなか恵まれず、シーズン終盤には自ら先発を辞退し、中継ぎとして投げる道を選択するほど苦しんだのである。

1999年はメッツのスプリングトレーニングに参加。調子がよいこともあり、完全復活は間違いないと思われていたが、結果的には先発5番手の座を競ったオーレル・ハーシハイザーに押し出される形で解雇されてしまった。ハーシハイザーとは、1995年に野茂がドジャースで台頭した際、押し出される形で放出された因縁があり、今度はメッツで逆にハーシハイザーが野茂を追い出す形になってしまったのである。その後、カブスのマイナーチームを経て、ブリュワーズとマイナー契約を結び、メジャーリーグに戻ってきた。奇しくもブリュワーズは、野茂が憧れた江夏が日本球界を追われるような形でメジャーへ挑戦し、その夢が叶わなかった球団である。そして、野茂は12勝(8敗)を挙げる活躍を見せた。

2000年シーズンを前にFAとなり、他球団と交渉。いくつかの噂は流れたが、前ブリュワーズ監督であり、この年からタイガースの監督を務めることになったフィル・ガーナーに請われる形でタイガースと契約。伝統あるタイガースは、それまでのタイガースタジアムから新球場コメリカパークに移ることになっており、あらゆる意味で再スタートを切りたいタイガースにとって野茂は必要不可欠の選手といえた。開幕投手を任されるも、投打がかみ合わなかったこともあり、終わってみれば8勝12敗という成績に終わった。オフには再びFAとなったのである。

球団を転々と移りながらプレーしてきた野茂。幾つかの球団からの誘いの中で野茂が選んだのはレッドソックスだった。野茂本人も開幕からワールドシリーズを意識できる球団と言うこともあり満足できる選択だったのである。2001年からレッドソックスのユニフォームに袖を通すことになった野茂は球団首脳の高い評価に比べ、シーズン前のエキシビジョンゲームでは結果が残せなかっこともあり、不安事項を残したままでの開幕となった。

こうして不安を残した中で、2001年4月4日の対オリオールズ戦を迎えることとなった。野茂は序盤から快調な投球を披露し、ヒットを許さない快投を見せた。終わってみれば、11奪三振を記録してノーヒッターを達成。特に6回から8回までの3イニングは5連続奪三振を含む8個の三振を奪うなど尻上がりに良くなる投球を見せたのである。両リーグでノーヒッターを達成したことになるが、これはサイ・ヤングジム・バニングノーラン・ライアンに次ぐ史上4人目の快挙である(2004年にランディ・ジョンソンが5人目となっている)。

蒼々たるメンバーと名前を並べたことになるが、現地4月4日に達成したというのは過去のメジャー史の中で最も早い時期の達成となる。2度の達成に関して、ロッキーズの本拠地クアーズフィールドとオリオールズの本拠地カムデンヤーズと、共に敵地での達成である。いずれの球場でもそれまでノーヒッターを達成した投手はいなく、野茂が初のノーヒッター達成投手となったのは非常に価値のあるものといえる。

自身2度目のノーヒッターを達成したこの年は、5月25日のブルージェイズ戦でも1安打完封勝利をマーク。1シーズンの中でノーヒッターと1安打完封の両方を達成したのは、1997年のケビン・ブラウン(当時マーリンズ)以来の快挙である。しかし、チームは怪我人が相次ぎ、ワールドシリーズ出場の夢は後半戦早々に消えてしまった。この年は13勝10敗、防御率4.50、220奪三振で最多奪三振のタイトルを受賞している。

2002年からは古巣ドジャースと2年契約を結んだ野茂。復帰した1年目は16勝6敗、防御率3.39と復調を見せた。翌2003年も16勝13敗、防御率3.09、177奪三振と安定感のある数字を残すも、ポストシーズンには縁がなかった。2004年は肩を痛めた影響から思うような活躍が出来ず、わずか4勝(11敗)に終わるなど苦しんだシーズンとなった。そしてオフには再びFAとなる。

レッドソックスでの初登板でノーヒッターを達成した野茂。2005年はデビルレイズとマイナー契約を結び、そこからメジャーリーグにのし上がった。6月15日の対ブリュワーズで日米通算200勝を達成。しかし、シーズン途中に解雇。その後ヤンキースとマイナー契約を結ぶが、そのままシーズンを終えた。翌2006年もホワイトソックスとのマイナー契約から始まるが、右肘の状態が悪く、手術を決意してシーズンを棒に振ったのである。現役に未練を残す野茂は2007年、ベネズエラリーグのマウンドに戻ってきた。

2008年、ロイヤルズとマイナー契約に合意。開幕ロースター入りは逃すが、4月半ばにメジャー昇格を果たした。実に1000日ぶりのメジャー復帰となったが、わずか3試合に登板しただけで解雇されてしまった。この年に7月に現役引退することを発表。本人としては未練を残したままでの引退となったが、波瀾万丈の野茂英雄の野球人生は一旦ピリオドが打たれることになったのである。

メジャー12年間での通算成績は123勝109敗、防御率4.24、1918奪三振となる。日本球界での成績を合わせると201勝155敗、防御率3.86、3122奪三振というものだが、野茂英雄の存在は数字以上のインパクトを日米球界に残したと言える。日本でクラブチームを作るなど、自分よりも若い選手に野球が出来る場所を用意できることに尽力するなど、一目置かれた存在である。日本からメジャーリーグに渡り、そしてユニフォームを脱いだ野茂の、今後の歩みが期待される。

<written by Kenji@webmaster>

各年度別成績一覧

 YEAR Team    G  GS  CG SHO   W   L  SV     IP    H   SO   BB    R   ER    ERA
 -----------------------------------------------------------------------------
 1995  LAD   28  28   4   3  13   6   0  191.1  124  236   78   63   54   2.54
 1996  LAD   33  33   3   2  16  11   0  228.1  180  234   85   93   81   3.19
 1997  LAD   33  33   1   0  14  12   0  207.1  193  233   92  104   98   4.25
 1998  LAD   12  12   2   0   2   7   0   68.2   57   73   38   39   38   5.05
 1998  NYM   17  16   1   0   4   5   0   90.2   73   94   56   49   48   4.82
 1999  Mil   28  28   0   0  12   8   0  176.1  173  161   78   96   89   4.54
 2000  Det   32  31   1   0   8  12   0  190.0  191  181   89  102  100   4.74
 2001  Bos   33  33   2   2  13  10   0  198.0  171  220   96  105   99   4.50
 2002  LAD   34  34   0   0  16   6   0  220.1  189  193  101   92   83   3.39
 2003  LAD   33  33   2   2  16  13   0  218.1  175  177   98   82   75   3.09
 2004  LAD   18  18   0   0   4  11   0   84.0  105   54   42   77   77   8.25
 2005  TB    19  19   0   0   5   8   0  101.2  127   59   51   82   81   7.24
 2008  KC     3   0   0   0   0   0   0    4.1   10    3    4    9    9  18.69
 -----------------------------------------------------------------------------
 Total      323 318  16   9 123 109   0 1976.1 1768 1918  908  993  932   4.24

受賞タイトル一覧

  • 新人王(1995-NL)
  • 最多奪三振(1995-NL,2001-AL)

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