- 2008-09-22 (月) 0:06
- MLB Players

#33 ホーナス・ワグナー(Honus WAGNER) | SS

- 1897年・カーネルズと契約
- 1874年2月24日生 右投右打 180センチ 90キロ
- ペンシルベニア州出身
選手の紹介文
走攻守揃った選手で、メジャーリーグ史上最高のショートストップとして名前の挙がるホーナス・ワグナー。筋肉隆々で、足はがに股、手は長いという特徴的な体型を持ちながら、俊敏なプレーを見せたのである。現役時代のワグナーのベースボールカードは希少だったこともあり、世紀を跨いでも200万ドル以上の高値で売買されている。
ペンシルベニア州に生まれたワグナーは、ドイツからの移民の子供として生まれた。後に「フライング・ダッチマン/The Flying Dutchman(空飛ぶオランダ人)」という愛称で呼ばれることになるが、オランダ系移民ではない。父は炭坑労働者であり、ワグナーも12歳で学校を中退し、炭坑で働き始めている。炭坑から製鉄所でも働き始め、その製鉄所の野球チームでワグナーは台頭した。
ワグナーが21歳の1895年、マイナーリーグと契約し、プロ野球の世界に足を踏み入れた。当時の野球界は混沌としていたことがワグナーのプロ入りを遅くさせたのかもしれない。プロ入りした1年目は4球団を転々とするもそれぞれ4割近い打率を記録。翌1896年も1球団に絞り、109試合の出場で打率.349を記録する非凡さを見せたのである。メジャーのカーネルズと契約したのは1897年のことである。
ナショナルリーグにあったカーネルズはルイビルに本拠を構えた球団であり、メジャー1年目は打率.338をマークしたワグナー。翌年以降の打率も.299(1898年)、.336(1899年)と結果を積み重ねていくが、当時のカーネルズのオーナーが、カーネルズを売却し、パイレーツを買収。カーネルズの中心選手を丸ごとパイレーツに移籍させる秘策を見せたのだった。結果的に売却されたカーネルズには買い手がつかず、1899年を持って消滅。事実上、1900年からはパイレーツとカーネルズの混成チームとなったのである。
1900年、戦力の整ったパイレーツはリーグ2位に躍進し、ワグナーは打率.381をマークして首位打者のタイトルを獲得した。1901年からパイレーツはリーグ3連覇を飾ったのだが、万能なワグナーはほぼ全てのポジションを守り、時にはマウンドに上がったこともあるという。1903年からショートストップに定着したが、この決断は正しかった。難しいポジションでワグナーの強肩、俊足はより生きたのである。
1903年に初めて開催されたワールドシリーズにも出場。新興のアメリカンリーグの優勝チームはピルグリムス(現在のレッドソックス)であり、四半世紀ほど歴史の古いナショナルリーグの優勝チームのパイレーツとしては負けられなかったが、ワグナー自身が不振に陥り、パイレーツは世界一を逃している。
1903年からの9年間で7度の首位打者に輝いたワグナー(1905年、1910年は除く)。この間も毎シーズン50個近い盗塁を記録しており、盗塁王に輝くことは5回。さらに打点も100点近くはコンスタントに挙げており、打点王にも5回輝くなど高い打撃能力を見せた。HRに関しては時代がHRを求めていなかったこともあり、数は少ない。仮にHR全盛時代であれば、その腕力から考えて相当なHRを重ねることになったのではないかと言われている。
1909年にパイレーツはリーグ優勝を果たし、6年ぶりにワールドシリーズの舞台に立ったワグナー。対戦相手はタイガースであり、タイ・カッブとの対決に注目が集まった。戦前の予想としてはタイガースが断然有利で、さらに22歳のカッブに対して、ワグナーは35歳と一回り近くも離れてはいたが、共に首位打者の常連と言うこともあり、注目は集まった。
1塁ランナーだったカッブが2塁へ激しくスライディングしてきたところを、ショートストップのワグナーはグラブをカッブの顔に向けてタッチしたという。カッブは唇を切り、血が噴き出したが、拭うことなくベンチに戻ったという(後年、ワグナーはデタラメと否定している)。このシリーズは第7戦までもつれるが、ワグナーは打率.333、6打点、6盗塁を挙げる活躍でチームを世界一に導いている(カッブは打率.231に終わった)。ワグナーとカッブが選手時代に交わったのはこのときだけである。
39歳になる1913年まで打率3割を記録し続けたワグナー。その後、打撃面では衰えを見せたが、40歳になっても身体能力は高く、守備面では衰えを見せることなく、プレーし続けた。結果的に43歳になる1917年に現役を退いている。引退後はスポーツ用品店を経営するもアルコールに依存する生活を送り、パイレーツが手をさしのべる形で1933年からワグナーを打撃コーチとして現場復帰させた。ワグナーは19年間も打撃コーチとして籍を置いたのである。ちなみに永久欠番となっている33番はコーチ時代のもので、選手時代は背番号はなかった。
人一倍優しい性格で、謙虚さを持った人格者として知られるワグナー。ベーブ・ルース登場以前のメジャーリーグの人気を支えた1人である。ルイビル時代の若い頃には3塁打を打ったところ、3塁まで走る際に内野手に邪魔されてアウトになることがあったが、次に3塁打を放ったときは邪魔する内野手を蹴散らし、最後はサードを吹き飛ばした。このとき吹き飛ばされたサードがジョン・マグローだったという。
タバコのオマケとしてベースボールカードが付けられたとき、子供までタバコを買ってカードを手に入れる風潮を嘆き、自分のカードの販売を差し止めるように依頼。既に出回っている自分のカードを回収させ、その分の利益も補填したという。故にワグナーのカードはほとんど出回っておらず、結果としてわずかなワグナーのカードには現在のオークションでも高値で取り引きされており、数年に1度は話題に上がるのである。
強烈なライナーを右に左に打ち分ける打撃スタイルを見せたが、外角球を思いっきり踏み込んで打ち込むのはワグナーを象徴するものでもあった。バッターボックスを越え、ホームプレートを踏んで打ってはいけないという現代では当たり前のルールは、当時のワグナーの為に生まれたルールとも言われている。
<written by Kenji@webmaster>
各年度別成績一覧
YEAR Team G AB R H 2B 3B HR RBI SO BB SB OBP SLG AVG ------------------------------------------------------------------------------ 1897 Lou 61 237 37 80 17 4 2 39 0 15 19 .379 .488 .338 1898 Lou 151 588 80 176 29 3 10 105 0 31 27 .341 .410 .299 1899 Lou 147 571 98 192 43 13 7 113 0 40 37 .391 .494 .336 1900 Pit 135 527 107 201 45 22 4 100 0 41 38 .434 .573 .381 1901 Pit 140 549 101 194 37 11 6 126 0 53 49 .416 .494 .353 1902 Pit 136 534 105 176 30 16 3 91 0 43 42 .394 .463 .330 1903 Pit 129 512 97 182 30 19 5 101 0 44 46 .414 .518 .355 1904 Pit 132 490 97 171 44 14 4 75 0 59 53 .423 .520 .349 1905 Pit 147 548 114 199 32 14 6 101 0 54 57 .427 .505 .363 1906 Pit 142 516 103 175 38 9 2 71 0 58 53 .416 .459 .339 1907 Pit 142 515 98 180 38 14 6 82 0 46 61 .408 .513 .350 1908 Pit 151 568 100 201 39 19 10 109 0 54 53 .415 .542 .354 1909 Pit 137 495 92 168 39 10 5 100 0 66 35 .420 .489 .339 1910 Pit 150 556 90 178 34 8 4 81 47 59 24 .390 .432 .320 1911 Pit 130 473 87 158 23 16 9 89 34 67 20 .423 .507 .334 1912 Pit 145 558 91 181 35 20 7 102 38 59 26 .395 .496 .324 1913 Pit 114 413 51 124 18 4 3 56 40 26 21 .349 .385 .300 1914 Pit 150 552 60 139 15 9 1 50 51 51 23 .317 .317 .252 1915 Pit 156 566 68 155 32 17 6 78 64 39 22 .325 .422 .274 1916 Pit 123 432 45 124 15 9 1 39 36 34 11 .350 .370 .287 1917 Pit 74 230 15 61 7 1 0 24 17 24 5 .337 .304 .265 ------------------------------------------------------------------------------ Total 2792 10430 1736 3415 640 252 101 1732 327 963 722 .391 .466 .327
受賞タイトル一覧
- 首位打者8回(1900-NL,1903-NL,1904-NL,1906-NL~1909-NL,1911-NL)
- 打点王5回(1901-NL,1902-NL,1907-NL~1909-NL)
- 盗塁王5回(1901-NL,1902-NL,1904-NL,1907-NL,1908-NL)
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