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Roberto CLEMENTE(ロベルト・クレメンテ)

Major League Baseball

#21 ロベルト・クレメンテ(Roberto CLEMENTE) | OF

ロベルト・クレメンテ

  • 1953年・ドジャースと契約
  • 1934年8月18日生 右投右打 180センチ 79キロ
  • プエルトリコ出身

選手の紹介文
不慮の事故で命を落としてしまったクレメンテ。「ライフルアーム」と呼ばれる強肩に加え、4度の首位打者を獲得する打撃で一時代を築いたロベルト・クレメンテ。そして、現在でも語り継がれているほどのボランティア精神に満ちた人格者のクレメンテには多くの崇拝者が存在する。現役生活中、飛行機事故により命を落としてしまったが、今でもクレメンテの精神はメジャーリーグに生きており、毎年、最高の人格者に「ロベルト・クレメンテ賞」を送るという形で、これから先も語り継がれていくであろう。

1934年、プエルトリコのサンフアン郊外で、7人兄弟の末っ子として生まれた生まれたクレメンテ。家計は非常に厳しいながらも両親の愛情を目一杯に受け、心優しい少年として成長していく。プエルトリコでも当時から野球は人気スポーツであり、クレメンテは自然に野球に触れていった。高校時代には野球以外にも陸上競技、やり投げ、走り高跳びで大活躍。得意なやり投げは母親譲りであり、これが後に「ライフルアーム」と恐れられる強肩の下地を作った。

ジャッキー・ロビンソンが1947年にメジャー昇格し、そのカラーラインが崩れたことが黒人のクレメンテの人生を大きく動かすことになる。1953年、まだブルックリンに本拠地を構えていたドジャースが、当時としては破格の契約金1万ドル、年俸5000ドルでクレメンテと契約を交わした。ドジャースにはロビンソンやロイ・キャンパネラなど有力な黒人選手が多く、クレメンテに関しても決して悪くないチームと言えた。

しかし、チーム事情からいきなり3Aに回され、いい活躍は見せるものの突然、試合からはずされるという納得できないことが続く。これはドジャースサイドが他チームにクレメンテの実力を悟られなくするための苦肉の策だった。というのも新人で4000ドル以上の契約金を手にした選手は、メジャーのロースター25人に入れておかなければ他チームからのウェーバー指名に応じなければならないという取り決めがあったためである。すでに黒人選手が多かったドジャースに、これ以上の黒人選手を加えることは球場に足を運ぶファンからの反発が大きかったということもあった。

結果的に3Aに置かれていたクレメンテだが、パイレーツのスカウトにその才能が見出され、パイレーツに奪われる形となった。それも元々はドジャースの若手投手に狙いを定めていたが、次第にクレメンテのプレーに魅了され、契約に動いたということが実状である。突然、パイレーツへ移籍したクレメンテだが、当時のパイレーツは最下位が指定席の弱小チームであり、クレメンテの才能が際立つのは当然ともいえた。

まさか3000本安打でキャリアを終えるとは、誰も想像していなかった。パイレーツのレギュラーに定着した1955年、クレメンテを目立たせたのは外野からの強肩であった。守備で思う存分、実力を見せ、これが打撃にも好影響を及ぼし、1956年にはリーグ3位となる打率.311をマークしている。その後は背中の怪我もあり、打率は3割を切ってしまうが、チーム力は徐々に向上。そして迎えた1960年、クレメンテは打率.314、16HR、94打点という好成績を残し、チームに33年ぶり、7度目のリーグ優勝をもたらした。

この年のワールドシリーズでは、ミッキー・マントルロジャー・マリスを擁するヤンキースと対戦。下馬評ではヤンキースが圧倒的に有利だったが、パイレーツが大健闘を見せた。第7戦までもつれたこのシリーズは、最後にビル・マゼロスキーのサヨナラHRで決着を付けるという劇的な幕切れとなった。クレメンテも7戦全てにヒットを記録し、パイレーツの35年ぶり3度目の世界一に充分すぎる貢献を果たした。

1961年は、201安打を記録し、打率.351でキャリア初の首位打者のタイトルを手にした。この他にも23HR、89打点と文句のない成績で、メジャーリーガーとしての地位を揺るぎないものにしていく。その後も1964年(打率.339)、1965年(打率.329)、1967年(打率.357)と首位打者のタイトルを奪取。この間には怪我などに苦しめられることもあったが、着実に成績を残し続けた。1966年にはタイトルとは無縁だったが、シーズン27勝を挙げたサンディー・コーファックスを押しのけて、MVPを受賞している。

1970年、打率.352をマークして、チームの地区優勝に貢献(惜しくもリーグチャンピオンシップシリーズで敗退)。そして、1971年は再び打率.341をマークし、チームに2年連続の地区優勝をもたらした。リーグチャンピオンシップシリーズではジャイアンツを退け、11年ぶりにワールドシリーズへコマを進める。そして、この年のワールドシリーズがクレメンテのキャリアを、より輝かしいものにしたといって過言ではない。

相手のオリオールズは3年連続リーグ優勝を果たしている最中であり、20勝投手を4人も抱える最強チームだった。明らかにパイレーツ劣勢ではあり、第1戦、第2戦と落とすが第3戦からパイレーツの反撃が始まった。結局、第7戦までもつれたこのシリーズは、第7戦にクレメンテのソロHRが飛び出すなど2対1で勝利を収め、世界一の座を手にした。クレメンテは7試合で打率.414、2HRを記録し、文句無しのMVPに選出されている。

クレメンテの精神は、今でも脈々と受け継がれている。38歳になったクレメンテは1972年のシーズンを迎えることになった。シーズン中に通算3000本安打はあっさり達成するかと思われたが足の故障で試合に出られない日々が続き、クレメンテを苦しめる。そして、シーズン最終戦となる9月30日の対メッツ戦で、3000本目の安打を達成。単なる通過点と思われたこの安打が、結果的にクレメンテの最後のヒットになるとは、周囲の誰もが考えてもいなかった。

1972年12月23日、ニカラグアに大地震が起こった。これにクレメンテはすぐに動きだし、救援物資を調達するなどボランティア活動に務めた。そして、自らもニカラグアへ向かうことを決めて、飛行機に乗ったのは12月31日の事。しかし、その飛行機は離陸後、すぐにカリブ海へ墜落。こうしてクレメンテは帰らぬ人となってしまった。クレメンテの死が、故郷プエルトリコに悲しみをもたらしたのはいうまでもない。

本来なら殿堂入りには引退後5年を待たねばならないが、メジャーリーグは特例としてクレメンテに殿堂資格を与え、1973年には殿堂入りが決まった。パイレーツもクレメンテの背番号21を永久欠番とし、その栄誉を大きく称えた。クレメンテの通算安打数は未だに3000本のままで止まっている。

【written by Kenji@webmaster】

獲得タイトル一覧

  • 首位打者:4回(1961-NL、1964-NL、1965-NL、1967-NL)

受賞アワード一覧

  • シーズンMVP:1回(1966-NL)
  • ワールドシリーズMVP:1回(1971)
  • ゴールドグラブ賞:12回(1961-NL~1972-NL)

各年度別成績一覧

 YEAR Team    G   AB    R    H  2B  3B  HR  RBI   SO   BB   SB   OBP  SLG   AVG
 ------------------------------------------------------------------------------
 1955  Pit  124  474   48  121  23  11   5   47   60   18    2  .284 .382  .256
 1956  Pit  147  543   66  169  30   7   7   60   58   13    6  .330 .431  .311
 1957  Pit  111  451   42  114  17   7   4   30   45   23    0  .288 .348  .253
 1958  Pit  140  519   69  150  24  10   6   50   41   31    8  .327 .408  .289
 1959  Pit  105  432   60  128  17   7   4   50   51   15    2  .322 .396  .296
 1960  Pit  144  570   89  179  22   6  16   94   72   39    4  .357 .458  .314
 1961  Pit  146  572  100  201  30  10  23   89   59   35    4  .390 .559  .351
 1962  Pit  144  538   95  168  28   9  10   74   73   35    6  .352 .454  .312
 1963  Pit  152  600   77  192  23   8  17   76   64   31   12  .356 .470  .320
 1964  Pit  155  622   95  211  40   7  12   87   87   51    5  .388 .484  .339
 1965  Pit  152  589   91  194  21  14  10   65   78   43    8  .378 .463  .329
 1966  Pit  154  638  105  202  31  11  29  119  109   46    7  .360 .536  .317
 1967  Pit  147  585  103  209  26  10  23  110  103   41    9  .400 .554  .357
 1968  Pit  132  502   74  146  18  12  18   57   77   51    2  .355 .482  .291
 1969  Pit  138  507   87  175  20  12  19   91   73   56    4  .411 .544  .345
 1970  Pit  108  412   65  145  22  10  14   60   66   38    3  .407 .556  .352
 1971  Pit  132  522   82  178  29   8  13   88   65   26    1  .370 .502  .341
 1972  Pit  102  378   68  118  19   7  10   60   49   29    0  .356 .479  .312
 ------------------------------------------------------------------------------
 Total     2433 9454 1416 3000 440 166 240 1305 1230  621   83  .359 .475  .317

キャリアハイライト一覧

  • オールスター出場:12回(1960-NL~1967-NL、1969-NL~1972-NL)
  • 世界一経験:2回(1960-Pit、1971-Pit)
  • 殿堂入り:1973年(投票率:92.7%)※1回目
  • 永久欠番:#21(Pirates)

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