- 2008-10-20 (月) 0:09
- MLB Players

#9 ロジャー・マリス(Roger MARIS) | OF

- 1953年1月・インディアンズと契約
- 1934年9月10日生 右投左打 183センチ 89キロ
- ミネソタ州出身
選手の紹介文
シーズン61HRを放ち、ベーブ・ルースの記録を塗り替えたことで注目を集めたロジャー・マリス。1961年の1年が、良くも悪くもその後のマリスの人生を大きく揺さぶった。ヤンキース時代にはミッキー・マントルと共にMM砲を形成する中で、2年連続でシーズンMVPを獲得する活躍を見せるなど、好選手として足跡を残した。
クロアチアからの移民の息子ととしてミネソタ州に生まれたマリス。ノースダコタ州に移り、そこで少年時代を過ごした。野球だけでなくフットボールでも高い才能を見せていたという。フットボールの力が評価され、大学から呼ばれた際、バスから降りた時点で出迎えがないことを見て、そのまま帰ってしまう個性的な一面を持っている。
1953年にインディアンズと契約し、プロとしてのスタートを切った。マイナーでは好守に優れた外野手として評価を高めた。マイナーで過ごした4年間での通算成績は打率.303、78HRと堂々たる成績である。1957年からはメジャーに舞台を移し、116試合の出場で打率.235、14HR、51打点という数字を残している。
1958年は当時のトレード期限ギリギリである6月15日に、カンザスシティに本拠を構えていたアスレティックスへの移籍が決まった。1959年は122試合の出場で打率.273、16HR、72打点という非凡な数字を残し、この年に初めてのオールスターゲーム出場を果たしている。オフには3対4の交換トレードでヤンキースへ移籍することになった。当時のアスレティックスは有望な若手選手をヤンキースに送り込むことで有名だったのである。
1960年、ヤンキースでの移籍1年目は、136試合の出場で打率.283、39HR、112打点という成績で打点王を獲得。HR数もマントルに1本差で続くリーグ2位となり、シーズンMVPも受賞、さらにゴールドグラブ賞もあわせて受賞するなど存在感を高めたのである。チームもリーグ優勝したこともあり、ワールドシリーズ(対パイレーツ)にも初出場。7戦までもつれて、結果的に敗れてしまったが、マリスは2HRを放っている。
1961年にはマントルと組むMM砲は相手から恐れられる存在となった。強打のスイッチヒッターとして三冠王も獲得(1956年)しているニューヨークの人気者であるマントルと、田舎育ちで無口で地味なイメージのあるマリスとは対称的なコンビとして注目を集めた。ただ悲しいことに2人がコンビとして人気があるのではなく、マントルが善玉、マリスが悪玉という視点で捉えられていた点は残念であった(2人の不仲説はあったが、それは捏造であり、実際の2人は非常に仲が良かったという)。
運命の1961年が開幕すると、マントルのバットが火を噴き、マリスのこの年初HRが飛び出したとき、マントルはすでに7HRを放っていた。5月に入ってマリスが12試合で9HRする固め打ちすると2人のHR数はしのぎを削り合った。1927年のルースのシーズン60HRという記録更新の可能性が高まると、周囲は騒がしくなった。ルースは154試合で記録しており、当時の162試合制を考慮すると、154試合までに61本目が出ないと新記録として認めないというコミッショナー裁定が出る騒ぎとなった。
8月が終わった時点でマリスが51HR、マントルが48HR。9月に入ってマントルが怪我で離脱すると、記録への挑戦権を持つのはマリスだけとなった。神格化されているルースの記録を抜くのは善玉であるマントルであるべきで、マリスは認められないという一部の人間からの中傷が続き、マリスにとっては苦しい時期であった。154試合が終わった時点では59HR、そこから残りの試合で2本を加え、新記録となる61HRでシーズンを終えたのである。
157試合で打率.269、61HR、142打点という成績で、本塁打王、打点王の二冠王を獲得。チームの優勝にも貢献し、2年連続でシーズンMVPを獲得するなど文句のない成績を残したマリス。ワールドシリーズ(対レッズ)でもチームを世界一に導く活躍を果たすなど、最高のシーズンではあったが、ルースの領域を侵した1点でマリスには罵声が浴びせられたのである。マリスのシーズン61HRという記録は「61*」として、ルースの名前と共に並記され、正式な『新記録』として認められるには時間がかかった。
1962年は33HRと数を大きく減らしたが、100打点をマーク。年齢的にもまだまだ結果を残せるはずが怪我の影響で数字を落としていった。1965年には手首の怪我でわずか46試合しか出場できず、1966年には打率.233と精彩を欠き、この年限りでカージナルスへ移籍することになった。カージナルスで2年過ごすことになるが、1967年はワールドシリーズ(対レッドソックス)で打率.385、1HR、7打点という活躍を見せたマリスはチームを世界一に導いている(翌1968年もチームはリーグ優勝を果たしているが世界一は果たせず)。
現役最後のシーズンにおける終盤、対メッツ戦を迎えた。苦い思い出に溢れたニューヨークでのマリスの最後の試合ということで多くのファンが集まった。ここで相手投手が右投手でありながらも試合に出場せず、最後までベンチを温めるという選択をしたのである。自らの運命を大きく変えたニューヨークに対しての最後の抵抗と言えるかもしれない。
わずか33歳の若さで現役を退いた。通算HRとしては275本と物足りなさは残ったが、1961年にマリスが成し遂げたことは時間と共に評価が高まっていったのである。マリス自体は1985年に50歳で帰らぬ人となるが、1998年にマーク・マグワイアがマリスの記録を抜いたとき、マリスの遺族が球場に迎えられ、改めてマリスの偉業が称えられた。マグワイア、サミー・ソーサ、バリー・ボンズがマリスの記録越えを果たしたが、どの選手にもステロイド疑惑があり、それ故にマリスの偉業はますます評価を増すのである。ヤンキース時代の背番号9は永久欠番に指定されている。
【written by Kenji@webmaster】
獲得タイトル一覧
- 本塁打王:1回(1961-AL)
- 打点王:2回(1960-AL、1961-AL)
受賞アワード一覧
- シーズンMVP:2回(1960-AL、1961-AL)
- ゴールドグラブ賞:1回(1960-AL)
各年度別成績一覧
YEAR Team G AB R H 2B 3B HR RBI SO BB SB OBP SLG AVG ------------------------------------------------------------------------------ 1957 Cle 116 358 61 84 9 5 14 51 79 60 8 .344 .405 .235 1958 Cle 51 182 26 41 5 1 9 27 33 17 4 .287 .412 .225 1958 KCA 99 401 61 99 14 3 19 53 52 28 0 .298 .439 .247 1959 KCA 122 433 69 118 21 7 16 72 53 58 2 .359 .464 .273 1960 NYY 136 499 98 141 18 7 39 112 65 70 2 .371 .581 .283 1961 NYY 161 590 132 159 16 4 61 142 67 94 0 .372 .620 .269 1962 NYY 157 590 92 151 34 1 33 100 78 87 1 .356 .485 .256 1963 NYY 90 312 53 84 14 1 23 53 40 35 1 .346 .542 .269 1964 NYY 141 513 86 144 12 2 26 71 78 62 3 .364 .464 .281 1965 NYY 46 155 22 37 7 0 8 27 29 29 0 .357 .439 .239 1966 NYY 119 348 37 81 9 2 13 43 60 36 0 .307 .382 .233 1967 StL 125 410 64 107 18 7 9 55 61 52 0 .346 .405 .261 1968 StL 100 310 25 79 18 2 5 45 38 24 0 .307 .374 .255 ------------------------------------------------------------------------------ Total 1463 5101 826 1325 195 42 275 851 733 652 21 .345 .476 .260
キャリアハイライト一覧
- オールスター出場:4回(1959-AL~1962-AL)
- 世界一経験:3回(1961-NYY、1962-NYY、1967-StL)
- 永久欠番:#9(Yankees)
-
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