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Roger MARIS(ロジャー・マリス)

Major League Baseball

#9 ロジャー・マリス(Roger MARIS) | OF

ロジャー・マリス

  • 1953年1月・インディアンズと契約
  • 1934年9月10日生 右投左打 183センチ 89キロ
  • ミネソタ州出身

選手の紹介文
シーズン61HRを記録した1961年のマリス。シーズン61HRを放ち、ベーブ・ルースの記録を塗り替えたことで注目を集めたロジャー・マリス。1961年の1年が、良くも悪くもその後のマリスの人生を大きく揺さぶった。ヤンキース時代にはミッキー・マントルと共にMM砲を形成する中で、2年連続でシーズンMVPを獲得する活躍を見せるなど、好選手として足跡を残した。

クロアチアからの移民の息子ととしてミネソタ州に生まれたマリス。ノースダコタ州に移り、そこで少年時代を過ごした。野球だけでなくフットボールでも高い才能を見せていたという。フットボールの力が評価され、大学から呼ばれた際、バスから降りた時点で出迎えがないことを見て、そのまま帰ってしまう個性的な一面を持っている。

1953年にインディアンズと契約し、プロとしてのスタートを切った。マイナーでは好守に優れた外野手として評価を高めた。マイナーで過ごした4年間での通算成績は打率.303、78HRと堂々たる成績である。1957年からはメジャーに舞台を移し、116試合の出場で打率.235、14HR、51打点という数字を残している。

1958年は当時のトレード期限ギリギリである6月15日に、カンザスシティに本拠を構えていたアスレティックスへの移籍が決まった。1959年は122試合の出場で打率.273、16HR、72打点という非凡な数字を残し、この年に初めてのオールスターゲーム出場を果たしている。オフには3対4の交換トレードでヤンキースへ移籍することになった。当時のアスレティックスは有望な若手選手をヤンキースに送り込むことで有名だったのである。

1960年、ヤンキースでの移籍1年目は、136試合の出場で打率.283、39HR、112打点という成績で打点王を獲得。HR数もマントルに1本差で続くリーグ2位となり、シーズンMVPも受賞、さらにゴールドグラブ賞もあわせて受賞するなど存在感を高めたのである。チームもリーグ優勝したこともあり、ワールドシリーズ(対パイレーツ)にも初出場。7戦までもつれて、結果的に敗れてしまったが、マリスは2HRを放っている。

1961年にはマントルと組むMM砲は相手から恐れられる存在となった。強打のスイッチヒッターとして三冠王も獲得(1956年)しているニューヨークの人気者であるマントルと、田舎育ちで無口で地味なイメージのあるマリスとは対称的なコンビとして注目を集めた。ただ悲しいことに2人がコンビとして人気があるのではなく、マントルが善玉、マリスが悪玉という視点で捉えられていた点は残念であった(2人の不仲説はあったが、それは捏造であり、実際の2人は非常に仲が良かったという)。

MM砲として恐れられたマリス(左)とマントル(右)。運命の1961年が開幕すると、マントルのバットが火を噴き、マリスのこの年初HRが飛び出したとき、マントルはすでに7HRを放っていた。5月に入ってマリスが12試合で9HRする固め打ちすると2人のHR数はしのぎを削り合った。1927年のルースのシーズン60HRという記録更新の可能性が高まると、周囲は騒がしくなった。ルースは154試合で記録しており、当時の162試合制を考慮すると、154試合までに61本目が出ないと新記録として認めないというコミッショナー裁定が出る騒ぎとなった。

8月が終わった時点でマリスが51HR、マントルが48HR。9月に入ってマントルが怪我で離脱すると、記録への挑戦権を持つのはマリスだけとなった。神格化されているルースの記録を抜くのは善玉であるマントルであるべきで、マリスは認められないという一部の人間からの中傷が続き、マリスにとっては苦しい時期であった。154試合が終わった時点では59HR、そこから残りの試合で2本を加え、新記録となる61HRでシーズンを終えたのである。

157試合で打率.269、61HR、142打点という成績で、本塁打王、打点王の二冠王を獲得。チームの優勝にも貢献し、2年連続でシーズンMVPを獲得するなど文句のない成績を残したマリス。ワールドシリーズ(対レッズ)でもチームを世界一に導く活躍を果たすなど、最高のシーズンではあったが、ルースの領域を侵した1点でマリスには罵声が浴びせられたのである。マリスのシーズン61HRという記録は「61*」として、ルースの名前と共に並記され、正式な『新記録』として認められるには時間がかかった。

1962年は33HRと数を大きく減らしたが、100打点をマーク。年齢的にもまだまだ結果を残せるはずが怪我の影響で数字を落としていった。1965年には手首の怪我でわずか46試合しか出場できず、1966年には打率.233と精彩を欠き、この年限りでカージナルスへ移籍することになった。カージナルスで2年過ごすことになるが、1967年はワールドシリーズ(対レッドソックス)で打率.385、1HR、7打点という活躍を見せたマリスはチームを世界一に導いている(翌1968年もチームはリーグ優勝を果たしているが世界一は果たせず)。

マリスにとって61という数字は特別なものとなった。現役最後のシーズンにおける終盤、対メッツ戦を迎えた。苦い思い出に溢れたニューヨークでのマリスの最後の試合ということで多くのファンが集まった。ここで相手投手が右投手でありながらも試合に出場せず、最後までベンチを温めるという選択をしたのである。自らの運命を大きく変えたニューヨークに対しての最後の抵抗と言えるかもしれない。

わずか33歳の若さで現役を退いた。通算HRとしては275本と物足りなさは残ったが、1961年にマリスが成し遂げたことは時間と共に評価が高まっていったのである。マリス自体は1985年に50歳で帰らぬ人となるが、1998年にマーク・マグワイアがマリスの記録を抜いたとき、マリスの遺族が球場に迎えられ、改めてマリスの偉業が称えられた。マグワイア、サミー・ソーサバリー・ボンズがマリスの記録越えを果たしたが、どの選手にもステロイド疑惑があり、それ故にマリスの偉業はますます評価を増すのである。ヤンキース時代の背番号9は永久欠番に指定されている。

【written by Kenji@webmaster】

獲得タイトル一覧

  • 本塁打王:1回(1961-AL)
  • 打点王:2回(1960-AL、1961-AL)

受賞アワード一覧

  • シーズンMVP:2回(1960-AL、1961-AL)
  • ゴールドグラブ賞:1回(1960-AL)

各年度別成績一覧

 YEAR Team    G   AB    R    H  2B  3B  HR  RBI   SO   BB   SB   OBP  SLG   AVG
 ------------------------------------------------------------------------------
 1957  Cle  116  358   61   84   9   5  14   51   79   60    8  .344 .405  .235
 1958  Cle   51  182   26   41   5   1   9   27   33   17    4  .287 .412  .225
 1958  KCA   99  401   61   99  14   3  19   53   52   28    0  .298 .439  .247
 1959  KCA  122  433   69  118  21   7  16   72   53   58    2  .359 .464  .273
 1960  NYY  136  499   98  141  18   7  39  112   65   70    2  .371 .581  .283
 1961  NYY  161  590  132  159  16   4  61  142   67   94    0  .372 .620  .269
 1962  NYY  157  590   92  151  34   1  33  100   78   87    1  .356 .485  .256
 1963  NYY   90  312   53   84  14   1  23   53   40   35    1  .346 .542  .269
 1964  NYY  141  513   86  144  12   2  26   71   78   62    3  .364 .464  .281
 1965  NYY   46  155   22   37   7   0   8   27   29   29    0  .357 .439  .239
 1966  NYY  119  348   37   81   9   2  13   43   60   36    0  .307 .382  .233
 1967  StL  125  410   64  107  18   7   9   55   61   52    0  .346 .405  .261
 1968  StL  100  310   25   79  18   2   5   45   38   24    0  .307 .374  .255
 ------------------------------------------------------------------------------
 Total     1463 5101  826 1325 195  42 275  851  733  652   21  .345 .476  .260

キャリアハイライト一覧

  • オールスター出場:4回(1959-AL~1962-AL)
  • 世界一経験:3回(1961-NYY、1962-NYY、1967-StL)
  • 永久欠番:#9(Yankees)

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