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Ty COBB(タイ・カッブ)

Major League Baseball

#* タイ・カッブ(Ty COBB) | OF

タイ・カッブ

  • 1905年・タイガースと契約
  • 1886年12月18日生 右投左打 186センチ 79キロ
  • ジョージア州出身

選手の紹介文
メジャーリーグ創世記を飾った名プレイヤーのカッブ。20世紀初頭のメジャーリーグに強烈な存在感を放ったタイ・カッブ。いわゆるHRが華となる前の時代で、闘争心をむき出しにするプレーを売り物にした。12度の首位打者、6度の盗塁王となるなど、高い技術を持っていることは誰もが認めながらも、乱暴な性格は周囲に多くの敵を作った。しかし、カッブの残した数字は時代を超えても燦然と輝いている。

ジョージア州の名家に生まれたカッブ。どん底から這い上がるというようなサクセスストーリーはなく、様々な意味で周囲の環境には恵まれすぎていた。故に傲慢さが前面に出るのは必然的なことなのかもしれない。後に人種差別主義者として知られるカッブだが、差別意識の強いジョージア州に名家の長男として生まれたことが起因しているのは間違いないだろう。

父親は教師から校長、市長、上院議員を務めるなど厳格な教育者として知られ、息子を野球選手にさせるという考えはなかった。しかし、カッブは野球にのめり込み、非凡な才能を見せていた。最終的には野球で身を立てることを父に納得させたのである。1904年、カッブが17歳の頃にマイナーリーグのオーガスタと契約し、プロへの道を歩み出した。

1905年、オーガスタでリーグトップの打率.326をマークしていたカッブは、8月後半になってメジャーリーグのタイガースと契約を交わすのである。ようやく大舞台への道が開けたのだが、その前に父が母に銃殺される悲劇があった。厳格な父に対し、不貞な母というのがあり、浮気を疑った父が忍び寄ったときに母に撃たれたのが実のところらしい。

いずれにしろメジャーリーガーとしての第一歩を踏み出したカッブだが、チームメイトからの嫌がらせなどもあり思うような結果は残せなかった。メジャー2年目となる1906年は、開幕当初はベンチスタートだったが後半戦からはレギュラーに定着。結果的に98試合の出場で打率.316を記録し、飛躍のきっかけを掴んだのである。

1907年に打率.350をマークして、首位打者のタイトルを獲得した。この年から1915年まで9年連続で首位打者となり、1917年こそトリス・スピーカーに奪われるが、翌1918年からさらに3年連続首位打者になったのである。シーズン最高打率は1911年の打率.420であり、1912年にも打率.410をマークしている。1922年にも打率.401を記録しているが、この年はジョージ・シスラーに次ぐリーグ2位に終わっている。

猛烈なスライディングで敵も多かった。HR全盛の時代が来るには、ベーブ・ルースの登場を待たねばならず、カッブのHRの数自体は少ない。しかし、1909年には9HR、115打点という数字で三冠王に輝いていることを見ても、長打力がなかったわけではなく、長打が求められている時代ではなかった。さらにデッドボール(飛ばないボール)が使用されていたことも、要因として挙げられる。

高い打撃能力とは裏腹に、激しいプレーが目を引き、1909年にはシーズン終盤のアスレティックス戦で、3塁への盗塁時にサードのフランク・ベイカーにスパイクし、重傷を負わせて出場停止処分を食らったこともあった。翌1910年には首位打者争いを演じていたナップ・ラジョイとの争いで、打率を維持する為に試合に出場しないなど、自らのエゴが全面に出ることは、周囲のものを困惑させたのである。

カッブの行った暴挙としては、球場のファンからの人種に関してのヤジ(「ハーフニガー」と言われたらしい)に逆上し、スタンドに飛び込んで殴る蹴るの暴行を働いたこと(ヤジを飛ばした人間は隻腕だった)、握手を求めてきた黒人のグランドキーパーに平手打ちを食らわしたこと、ホテルで同室になったチームメイトが先に風呂を使ったことに腹を立ててわめき散らしたりしたことなど、数え切れないエピソードがある。1914年は喧嘩が元で骨折し、97試合にしか出場していない。

1920年には外野守備時に打球を追っかけて、チームメイトと激突し、右膝靱帯を断裂する大怪我を背負ったカッブ。そこで様々な治療法を用いて、試合に復帰するも、さらに右膝を痛めてしまい、現役続行は不可能と思われていた。しかし、そこからも奇跡的に復活したのである。1921年からの6年間は兼任監督としてもプレーしている(野球の戦術には詳しかったが、監督としてチームの操縦はうまくいかず、監督としての結果は残していない)。

1925年には目を悪くしたことで手術を行うなど、現役続行に疑問符が挙がっていたが現役にこだわった。1926年を最後にタイガースを追われたが、アスレティックス(当時の本拠地はフィラデルフィア)に移籍し、現役を続行。1928年には打率.323をマークするもののこの成績を恥じて、カッブは現役を引退したのである。実にメジャー生活は24年を数えていた。

通算打率.366は今後も破られない大記録である。通算安打数(公称は4191安打といわれているが、4189安打、4190安打という説もある)、通算盗塁数(892個)など様々なメジャー記録を樹立しての引退となった。現在では、カッブの記録の大半は塗り替えられているが、メジャーリーグにその足跡を確実に残したのである。

カッブの晩年はルースの登場でHR全盛の時代となったが、カッブ自身は「野球の魅力は走塁や単打の積み重ねにある」と言い、時代の流れに一石を投じた。1936年の野球殿堂入りの第1回目の投票で最大票を集めて、文句なしの殿堂入りを決めている。その後は健康状態を悪くし、1961年にこの世を去ることになるが、葬式時には野球関係者は4人しか現れなかったという。

バットを握る両手の間を空けて構える独特のフォームでヒットを積み重ねたカッブ。バットも円錐状の形となっており、今でも同型のバットをタイ・カッブ式バットと言われている。走塁時にベースから遠ざかり、つま先でベースを引っかけるフック・スライディングや、ダブルプレーを防ぐべく野手に向かって滑り込む走塁もカッブが最初である。後に「野球王」とまで呼ばれたカッブだが、創業当時のコカコーラ社の株を買い漁り、億万長者になったことでも知られる。

(*)1910年のラジョイとの首位打者争いだが、カッブは3打数2安打が追加されて、別の2打数無安打が削除されていることが後にわかった。一方のラジョイは1打数無安打が別で追加されており、この分を補正するとカッブが打率.382、ラジョイが打率.383とラジョイに軍配が挙がることになる。また、1906年にはカッブの8打数1安打が削除されていることも後にわかっている(タイトルは無関係)。結果、通算安打数はマイナス2安打、プラス1安打を加えて、4190安打が正しいのではないかと言われているが。

<written by Kenji@webmaster>

各年度別成績一覧

 YEAR Team    G    AB    R    H  2B  3B  HR  RBI   SO   BB  SB   OBP  SLG   AVG
 ------------------------------------------------------------------------------
 1905  Det   41   150   19   36   6   0   1   15    0   10   2  .288 .300  .240
 1906  Det   98   358   45  113  15   5   1   34    0   19  23  .355 .394  .316
 1907  Det  150   605   97  212  29  14   5  119    0   24  49  .380 .469  .350
 1908  Det  150   581   88  188  36  20   4  108    0   34  39  .367 .475  .324
 1909  Det  156   573  116  216  33  10   9  107    0   48  76  .431 .517  .377
 1910  Det  140   506  106  194  35  13   8   91    0   64  65  .456 .551  .383
 1911  Det  146   591  147  248  47  24   8  127    0   44  83  .467 .621  .420
 1912  Det  140   553  119  227  30  23   7   83    0   43  61  .458 .586  .410
 1913  Det  122   428   70  167  18  16   4   67   31   58  51  .467 .535  .390
 1914  Det   97   345   69  127  22  11   2   57   22   57  35  .466 .513  .368
 1915  Det  156   563  144  208  31  13   3   99   43  118  96  .486 .487  .369
 1916  Det  145   542  113  201  31  10   5   68   39   78  68  .452 .493  .371
 1917  Det  152   588  107  225  44  24   6  102   34   61  55  .444 .570  .383
 1918  Det  111   421   83  161  19  14   3   64   21   41  34  .440 .515  .382
 1919  Det  124   497   92  191  36  13   1   70   22   38  28  .429 .515  .384
 1920  Det  112   426   86  143  28   8   2   63   28   58  15  .416 .451  .334
 1921  Det  128   507  124  197  37  16  12  101   19   56  22  .452 .596  .389
 1922  Det  137   526   99  211  42  16   4   99   24   55   9  .462 .565  .401
 1923  Det  145   556  103  189  40   7   6   88   14   66   9  .413 .469  .340
 1924  Det  155   625  115  211  38  10   4   78   18   85  23  .418 .450  .338
 1925  Det  121   415   97  157  31  12  12  102   12   65  13  .468 .598  .378
 1926  Det   79   233   48   79  18   5   4   62    2   26   9  .408 .511  .339
 1927  PhA  134   490  104  175  32   7   5   93   12   67  22  .440 .482  .357
 1928  PhA   95   353   54  114  27   4   1   40   16   34   5  .389 .431  .323
 ------------------------------------------------------------------------------
 Total     3034 11434 2245 4190 725 295 117 1937  357 1249 892  .433 .512  .366

受賞タイトル一覧

  • 首位打者12回(1907-AL~1915-AL,1917-AL~1919-AL)
  • 本塁打王1回(1909-AL)
  • 打点王4回(1907-AL~1909-AL,1911-AL)
  • 盗塁王6回(1907-AL,1909-AL,1911-AL,1915-AL~1917-AL)

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